東日本大震災の記録

東日本大震災の記録 page 64/178

電子ブックを開く

このページは 東日本大震災の記録 の電子ブックに掲載されている64ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
東日本大震災の記録

東日本大震災の記録64第3章東日本大震災が発災して、約2週間後の3月日から5月3日までの31間、第旅団第一次入浴支援隊長と15して宮城県多賀城市に派遣され活動してまいりました。この派遣期間中に感じたことを少し述べさせて頂きたいと思います。3月日に入浴支援隊の編成完結31式を終え、フェリーで沖縄を出発したものの、入浴支援隊として活動する地域も未だ決定していない状況であり、支援隊の隊員全員が不安を抱えながら船上で過ごしていました。2日後、東京有明港に到着、陸路で宮城県仙台市まで北上し、仙台駐屯地において「明日支援地域(多賀城市)に入浴所を開設し、明後日から入浴所を運営せよ。」という命令を受領しました。その日のうちに開設場所等の支援地域の現地偵察を終え、翌日には入浴所を開設し、何とか被災者の皆様を受け入れられる態勢を整えることができました。これも、日頃の練成の成果であるとともに、支援隊員全員の「少しでも早く被災者に癒しの空間(お風呂)を提供したい。」という心底から人を思いやる気持ち(チムグクル)があったからこそだと思います。派遣期間中、入浴者数は延べ1万6、284名にもなりましたが、印象深く残っているのは、被災者の方からの「一ヶ月ぶりにお風呂を頂いて生き返りました!」「遠く沖縄の地からありがとうございます!気持ち良かったです。」等の感謝の言葉を頂いたことです。震災により津波で家屋を流された被災者の方々を支援するために派遣された我々が、逆に現地で被災者の方々から元気を頂き勇気づけられた気がしました。最後に今回の派遣にあたり、旅団及び駐(分)屯地所在各部隊の皆様から頂いた激励の手紙や追走品等をはじめとする様々なご支援、大変ありがとうございました。皆様のご尽力により、本災害派遣任務を無事完遂できたものと感謝いたします。第一次入浴支援隊長として勤務して陸上自衛隊第旅団司令部15瀬尾成人さん一等陸尉