(聞き手)
震災を通じての教訓はありますか。
(三浦様)
災害などが発生して、家族が離れた場所にいて、連絡が着かなくなった場合に、それぞれがどこに避難するのかという話し合いをしておくべきだと思います。
私は今回の震災を忘れないようにという事で、家族を連れて1~2週間くらい経ってから石巻に行きました。
実際に大地震が来ると、このようにひとたまりもないという事を胸に刻んでほしくて見に行ったのですが、他の家庭でも話して伝えていく事は大切だと思います。
(聞き手)
震災から間もない、まだ混乱している時期に行かれたようですが、ご家族の反応はいかがでしたか。
(三浦様)
子どもたちはショックを受けるだろうとは思っていましたが、事実を知っておくべきだと思い、行く前にこういう状況で何百人もの方が津波で流されて亡くなったのだと色々話をした上で行きました。
国道45号を通った時は、両脇に車が2~3台重なっている状態で、ここまで津波が来たという跡も残っていましたから、ショックを受けていたようでした。
(聞き手)
お子さんは震災後に、何か変わったという様子は感じられますか。
(三浦様)
地震に対して前よりも敏感になったと思います。その時いる場所によって行動の仕方が違うと思いますが、津波は怖いのだという事がわかったのでしょう。
(聞き手)
臨機応変に考えて行動するようになったという事でしょうか。
(三浦様)
震災の時に、長男は友だちとボウリング場で遊んでおり、津波が来るかもしれないからすぐに帰れと従業員さんに言われて、急いで戻って来ました。
私の店に来るお客さんの話を聞くと、津波が来ないと思って、遊んでいるうちに亡くなった人もいると言っていました。
長男は店の人の話をきちんと聞いて行動できたので、良かったと思います。
(聞き手)
商店会会長さんとして伝えていきたい事は何かございますか。
(三浦様)
下馬地区は高齢者が多いので、若い方にも頑張ってほしいと思います。今後は、建物も古くなっていくので、耐震も考えていかなければなりません。また、昔からの建物が多いので、地震による火災にも気を配る必要があります。
(聞き手)
昔から下馬地区に住んでいるという方は多いのでしょうか。
(三浦様)
はい。そのせいか、近所付き合いは緊密に出来ているようです。今回の災害で、声を掛け合って交流することの大切さを強く再認識したのではないでしょうか。
(聞き手)
下馬地区の住民の方たちはどちらに避難されたのでしょうか。
(三浦様)
下馬は天真小学校と総合体育館が避難所になっていたので、皆さんそこに避難していました。
集会所もあるのですが、
避難場所に指定されてなかったので、開ける事が出来ませんでした。
ですので、当然、集会所には食べ物や水といった物資も来ませんでした。緊急時はそういうところを、行政に臨機応変に対応して頂けると嬉しいです。
電気が復旧して、ある程度落ち着いてからは、皆さん普段通りの生活に戻られたようでした。