(聞き手)
東日本大震災を経験されて、
防災の点から、市民の皆さんに訴えたい事やアドバイスはございますか。
(遠藤様)
防災という観点では、非常食や、ハザードマップに基づく
避難場所確認等の備えをし、
防災訓練や自治体組織の
連携を積極的にしていく事が大事だと思います。
今回の事を忘れずに対策を続け、この経験を伝えていければと思います。
(今野様)
多賀城市で発行している、津波を想定した災害マップがあるので、事前に安全な場所を確認して、落ち着いて行動出来るようにしておく事が大事だと思います。
(関様)
市民の方の情報提供はとても役に立ちました。
実際に、一人暮らしのおじいさんを見かけないと言うので、自宅に様子を見に行ったところ、タンスの下敷きになっていたという事がありました。闇雲に捜索するよりも、情報を得て、的確に行動することが、迅速な対応につながると思います。
(聞き手)
他に、課題点などがありましたらお話しください。
(遠藤様)
家族内で、
避難場所や備蓄について、話し合いをしておくといいと思います。
日頃から近所の方と交流を持っておくのも大事だと思います。
(今野様)
備蓄の有効期限が切れる前に点検や補充をし、年に1、2回確認するようにしたらいいと思います。
(聞き手)
自衛隊の方から見て、備えておくと役立つ備蓄品はあるのでしょうか。
(今野様)
震災当時は寒かったので、寒い時期は、保温シートのような防寒グッズがあれば非常に役立ったと思います。食糧も乾パンやキャラメルがあるだけで随分と助かると思います。
(関様)
何かあった場合、どのように行動するか、家族内での決まりごとを話し合っておくといいと思いました。
(聞き手)
多賀城駐屯地にも津波が押し寄せている状況で、救助に向かわなくてはならない中、ご家族がいる隊員さんは、家族の方の安否も心配だったのではないでしょうか。
(今野様)
実家が仙台の山手でしたので被害はあまりなく大丈夫でしたが、停電していたので、家族は、多賀城の津波の状況がわからずにいたようです。 後日、多賀城の状況を知った時には非常に驚いていました。
(関様)
私も家族とは全く連絡が取れませんでした。ですので、これからは携帯各社の災害時の伝言サービスを有効活用しようと思っています。
(聞き手)
これからの多賀城市の復旧、復興に関して、意見や要望はございますか。
(遠藤様)
多賀城市や各自治体は、震災後の新たな復興計画に基づく態勢を整え、震災経験が風化しないような取り組みをしてもらいたいと思います。
(今野様)
震災の事を風化させないことと、津波を想定した避難訓練をしていく事が大切だと思います。
(関様)
市民一人ひとりが、まず自分の出来る事から自発的に行動し、笑顔を絶やさず、前向きに頑張れば、まちも活発になると思います。
(聞き手)
震災後、自衛隊ではどのような
防災対策をしているのでしょうか。
(遠藤様)
具体的には申し上げられませんが、今回以上の規模でも対応出来るように、計画の練り直しを進めています。
(聞き手)
後世に伝えたい教訓はございますか。
(遠藤様)
辛い経験をした子供たちも沢山いますので、温かい目で見守り、助け合いの心を持つ事が大切なのではないかと思います。
(今野様)
亡くなられた方も沢山いらっしゃいますが、私たちは生き残った訳ですから、その意味を一人ひとりがしっかり考えて、経験が風化しないようにしていくことが大事だと思います。
また、震災でより一層感じた事ですが、困った時に助ける時もあれば、助けられる時もあると思いますので、お互い優しい気持ちで生きていくことが一番だと思います。
(聞き手)
地域の住民の方に対して、伝えたい事はありますか。
(遠藤様)
地域の人と声を掛け合う事と、各自治体が行っている
防災訓練に積極的に参加し、交流を深めていく事が大事だと思います。
また、ボランティアをしてみるなど、地域を活性化していく前向きな姿勢が必要だと思います。
(聞き手)
他に何か、話しておきたい事はございますか。
(今野様)
被災された方が早く以前のような生活に戻ってほしいと思います。
また、自分自身も、災害に関して知識を吸収し、少しでも多賀城市に貢献出来るように、頑張っていきたいと思います。