震災復興業務に係る手記

震災と復興業務を振り返って

三重県東員町

大杉 基之さん

 平成24年の7月から3カ月間復興業務に携わらせていただきました。私が赴任した時は、震災からおよそ一年が経過していたため、町中に瓦礫が散乱しているような状況ではありませんでしたが、河川そばの仮設住宅には、まだ沢山の被災した方が居住されており、震災から復興までの道のりは、長く険しいのだと強く感じました。また、震災後1年以上経過しても小さな地震は頻繁に発生しており、未だに影響が続いているのかと驚かされたことを記憶しております。多賀城市では、多賀城駅周辺整備課で勤務させていただき都市計画事業に携わらせていただきました。お役に立てたか自問するところではありますが、様々な経験をさせていただきました。特に印象に残っているのは、名取市閖上地区をはじめ様々な被災地に行かせていただいたことです。沢山の家屋が基礎だけを残して無くなっていた風景を見たときは、現地でしか分からないリアルな津波の恐ろしさを肌で感じたことを覚えています。震災時は、三重県でも非常に長い揺れが続き、直後に流れたテレビの映像は現実とは思えない光景でした。よく言われることですが、一番大切なことは震災での出来事を風化させることなく、後世に伝えていくことだと思います。多賀城市の方々には、被災地で大変な思いをされているにもかかわらず、復興業務に来ている私たちのような派遣職員に対しても非常に親切にしていただきました。感謝申し上げるとともに、多賀城市の発展を心よりお祈り申し上げます。