震災復興業務に係る手記

被災地派遣

広島県呉市

柴崎 恭範さん

 2011年3月11日,未曾有の東日本大震災が発生し,多くの人が思いもよらない苦労を背負い生活されていた。

 2013年4月,一日も早い復旧復興のため,何か手助けしたいという気持ちで多賀城市にきた。初めての東北,初めての派遣(転勤),初めての被災地・・・初めて尽くしの中,全国から参集した17名の派遣職員とともに下水道課に配属された。

 あれから8年が経った今でも思い出す出来事がある。赴任してすぐ,鈴木課長に多賀城市の他,南三陸町,気仙沼市,陸前高田市,仙台市荒浜地区など津波被害の大きかった場所を案内して頂いた。テレビでしか見たことの無かった悲惨な光景を目の当たりにして言葉が出なかったが,「百聞は一見に如かず」,この経験が大きな力を与えてくれたことに間違いない。

 2年間の派遣期間中,災害復旧工事の他,雨水幹線の計画や工事を担当した。年齢的にも扱いにくい人材で,下水道課の皆様は迷惑だったのではないかと今でも思う。

 全国の自治体から職員が集まり短期間で交替を繰り返す形は,受け入れる側の職員の事務が大変であり,人的応援制度の課題である。

 生活面では,大小の有感地震が度々あったり,津波警報が出たり(正直言えば怖かった),ドカ雪が積もったり,水平線の見える太平洋だったり・・・広島にはない自然の力を感じた。

 2017年7月6日,西日本豪雨により呉市も甚大な被害を受けた。根元次長が「何か手伝えることはないか」と一番に電話をくれた。嬉しかったし元気がでた。さらに,まだ復興途中にも関わらず多賀城市から職員を派遣して頂き助けてもらった。復旧復興に携わっている今,多賀城市での経験がとても役に立っている。

 最後になりますが,派遣期間中は多賀城市の皆様に大変お世話になり,感謝申し上げます。ありがとうございました。