震災復興業務に係る手記

震災復興業務を経験して

栃木県栃木市

渡邉 誠さん

 私は平成25年度の1年間、自治法派遣により多賀城市の震災復興業務に携わりました。栃木県栃木市からは、初めての派遣であり多賀城市自体初めて訪れる土地であることもあり、どのような土地でどの程度被害を受けたのか、ほとんどの知識がないまま派遣の日を迎えました。栃木市から車で向かい、多賀城市へ着いた時の第一印象としては想像していた状況とは違い、道路や街並みを見ても日常が戻っていると感じられるほど復旧、復興が進んでいるなと思いました。しかし、業務が始まり多賀城市内の現場案内や職員の方の話を聞く中で、日常とは程遠い状況であり復旧、復興には相当な期間がかかることがわかりました。

 私は下水道課に配属され主に雨水幹線の計画、設計、現場管理を担当しました。計画の中で一番驚いたこととして、標高が海抜0m以下でありポンプ場で強制排水していることでした。地下水も海水であるなど、海無し県の栃木では考えられないことが多く、津波による被害も現実として想像出来ない内容でありました。

 多賀城市職員、他県からの派遣職員と力を合わせ、少しでも多賀城市の復旧、復興の手助けになるよう業務を進め、震災以前の多賀城市の日常を取り戻すべく、1年間という短い間でしたが、復興業務に携われたことは私の誇りであります。

 地震だけでなく自然災害はいつどこで起こるかわかりません。栃木市においても平成27年、令和元年に豪雨災害を受けました。行政に携わる者として今後、市の業務において多賀城市での経験を活かしていきたいと思います。

 末筆ながら、多賀城市のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。