震災復興業務に係る手記

多賀城市での災害派遣業務について

富山県高岡市

岡田 直人さん

 私は、平成31年度の1年間、高岡市から多賀城への災害派遣職員として赴任いたしました。災害派遣の打診があった際には、小学生の時に東北地方に住んでいたこともあり、少しでもお役に立てればと考え受諾しました。

 私が多賀城市に派遣された時点では、東日本大震災から8年が経過し、整備を計画していた災害公営住宅は全て完成しており、街中で震災の痕跡を見られるところは滅多にない状況でした。

 配属先である都市計画課では、主に災害公営住宅の入居管理業務に従事しました。災害公営住宅では、入居者の高齢化が進行しており、とりわけ単身の高齢者の方の比率が増加していたと記憶しています。

 ある日、災害公営住宅の入居者の方の安否が確認できないと自治会の方から連絡があり、警察の方とともに安否確認をしたこともありました。病気で倒れていたところを自宅で見つけ、入居者の方は病院に搬送され一命をとりとめました。いち早く異変に気づくことができたのは、日ごろから互いに安否を気遣っていたからであり、災害公営住宅の入居者の方々の結束の強さを感じた出来事でした。このような貴重な体験を今後の業務に生かしていきたいと考えております。

 派遣期間を無事に過ごすことができたのは、配属先の都市計画課や人事担当の職員の方をはじめとした多賀城市の職員の皆さまにサポートしていただいたからであると考えております。1年間大変お世話になりました。

 遠方からではありますが、多賀城市の発展を心より願っています。