東日本大震災の記録

東日本大震災の記録 page 115/178

電子ブックを開く

このページは 東日本大震災の記録 の電子ブックに掲載されている115ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
東日本大震災の記録

115第7章社会基盤の復旧状況地震発生直後、偶然にも本課職員で外出しているものはほとんどいませんでした。しかし、3名の職員が雨水ポンプ場に外出しており、結局、大津波から逃れるため、うち1名は帰庁することができましたが、残りの2名は雨水ポンプ場の屋上へ避難し難を逃れました。その夜、隣接する石油精製施設が爆発したため、津波の海水が抜け切れないところを手探りで堤防を歩き、避難所へ辿り着くことができました。翌日、私たちは被災状況等を確認するため、市内を自転車で巡回し、市内の被害の甚大さと施設の被害状況の大きさに震えを感じました。その後、電気も水も車も無い状況でしたが、市内を自転車で移動し、可能な限り浸水した水を排水できるように瓦礫を手作業で除去したり、建設災害防止協議会の応援をいただき、動かせる車を水路からずらしたりする作業を相当な日数を費やして、目視でのマンホールの被災調査を本課職員4班体制で実施しました。地震や津波による被害の対応に追われる中、処理場が設置されている本市では、隣接する市町からの下水が集中するため、水の供給が止まっていないエリアからの下水が本市の至る所で溢れ、被害をさらに増大させたうえに、市民の方々から「使ってもいないのにトイレから汚水が溢れてくる」、「トイレが使えない」との通報が昼夜問わずありました。そのような中、3月日を皮切り31に大阪府を中心とした支援隊が続々と本市に到着し、下水道の被災状況を迅速、かつ、的確に調査を実施していただきました。内容は、本市職員が目視で調査したマンホールのうち、マンホールの中の被害状況を調査する必要があると判断されたマンホール約1、200箇所を調査していただきました。しかしながら、津波を受けたエリアでは瓦礫が障害となり調査を行うことができませんでした。その後、津波エリアの被災調査と、市内約キロメートルのマン26ホールを開けての下水道管内部のビデオカメラ調査を行いました。現在、全国の市町職員の助けを借りながら、平成年度中の復旧完了25に向けて職員一丸となって業務を遂行しております。派遣で来ていただいている職員の方々はとても明るく、我々市職員に対しても暖かな心配り、気配りをしていただき、慣れない土地にも関わらず迅速に業務を遂行するなど、我々も大きな触発を受けております。次のステップとしては、下水道施設の状況(施工年月日から更新年月日等)の電子化及びデジタルマッピングを完成させ、施設の施工の経緯などの情報収集をスムーズに行えるようにすることが、さらなる災害の備えとして大きな成果を挙げてくるのではないかと考えております。●下水道の被災調査への支援・大阪府、大阪府池田市、豊中市、滋賀県、滋賀県大津市、彦根市、兵庫県川西市、和歌山県、和歌山県和歌山市より平成年3月日~4月72331日延べ人98・山形県山形市、天童市、青森県青森市より平成年3月日~52331月日延べ人2277●下水道の被災調査及び復旧業務への支援・奈良県奈良市より平成年5月23日~7月日延べ9人1729下水道の被害八幡雨水ポンプ場(栄地内)津波襲来の瞬間建設部下水道課経営管理係阿部克敏