東日本大震災の記録

東日本大震災の記録 page 70/178

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東日本大震災の記録

東日本大震災の記録70第4章・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・地域の復興は電気から東北電力株式会社塩釜営業所配電計画課課長佐藤満弘さん塩釜営業所は、仙台市宮城野区の東側、塩釜市、多賀城市、七ヶ浜町、利府町、松島町に電気を供給しています。津波の浸水域は、管内の2~3割にあたり、その中には仙台港周辺の工場地帯に位置する仙台港変電所、多賀城変電所の2個所の変電所が含まれていました。3月日時分の地震発生111446に伴い、営業所管内全域(約14万5千戸)が停電になりました。地震発生直後、大津波警報が発令されましたが、営業所は、海岸から離れており、海岸との間には、高台があることから、営業所には津波が来ないと判断し、直ちに災害復旧のための非常体制を敷きました。時分に家族を含む社員、1510委託検針・集金員、業務委託会社の安否確認を実施し、当日の時からは、各自治体災害対策20本部に社員を派遣し、通行止め等の道路情報を入手するとともに停電状況について情報提供を開始しました。配電設備は、電柱の傾斜・倒壊等が1、115基、流失・滅失が1、881基と、津波により大きな被害を受けました。配電線は、津波の被害のない内陸側、次に津波の被害があった海岸側の順に点検し、被害個所の改修を行いながら送電することにしました。3月日から順次送電を開始13し、発災の1週間後の3月日18には、約%供給支障を解消で80きました。津波の浸水があった地域では、送電再開する際、感電・電気火災防止の観点から、お客さまの電気設備の絶縁に異常がないかを確認する必要があります。このため、浸水エリアの送電には、時間を要しました。3月日から着手し、震災18発生2週間後の3月日には、25約%供給支障を解消できまし90た。変電所の浸水被害があった仙台港周辺では、隣接変電所からの配電線を増強し、背後地を送電した後、4月5日に仙台港変電所に仮設変電所設置、4月10日に多賀城変電所に仮設変電所を設置し、仙台港周辺の工場地帯の供給を開始しました。4月に入り、塩釜市浦戸諸島の復旧作業を進め、4月日か25ら5月4日において順次送電を再開いたしました。最後は、仙台市蒲生地区にある南蒲生浄化センターを5月7日に供給し、これにより塩釜営業所管内の供給支障が解消となりました。復旧にあたっては、関西電力や北陸電力、当社の他県の応援を受け、発災から日間、延べ62人員約22、000人が復旧作業に従事しました。最後に、入社2年目の社員が実際に先輩社員に同行し、教えられながら災害復旧に携わった経験を踏まえての感想を紹介します。『震災を通して、生活に必要不可欠な電気を守っているという非常に大きな責任感と使命感を背負っている会社なのだと改めて実感した。震災直後からの停電復旧作業に従事し、「何がなんでも電気をつける」という電力の使命を先輩社員の働く姿から強く感じた。』1年間の実技訓練等の研修を終え、3月1日に塩釜に配属となり、日目に震災に遭遇しま11した。この災害の経験を踏まえ、使命感・責任感を身に付け逞しく成長してくれました。今回の震災対応では、「早くお客さまに電気をお届けしたい。」との思いで復旧活動に努めてきました。今後も引続き、「地域の復興は、電気から」との気持ちを持ち、供給力の確保、復興に努め、電力の安定供給に邁進してまいりたいと考えております。復旧状況(多賀城変電所周辺多賀城市宮内・栄地区)H23.4.7流失した電柱を建柱・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・地震発生から1ヶ月余りで供給再開仙台市ガス局事業管理者佐藤均さん数分にも及ぶ激しい揺れと想像を超える大津波を引き起こした東日本大震災。この未曾有の災害によって、仙台市ガス局の港工場は7mもの津波により敷地のほぼ全域が浸水し、都市ガスの製造が困難となったことから、約万戸のお客さまへの供36給を全面的に停止せざるを得ませんでした。幸いにも新潟からのパイプラインに被害がなかったことに加えて、日本ガス協会をはじめ、全国のガス事業者様から、過49去最大規模の延べ約7万2千人の応援をいただいたことにより地震発生から1ヶ月余りで供給を再開できました。お客さまには大変なご不便とご心配をおかけいたしました。おかげさまで、震災以降最優先に取り組んできた港工場の復