東日本大震災の記録

東日本大震災の記録 page 72/178

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東日本大震災の記録

東日本大震災の記録72第4章・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・約600名が4階5階へ避難していたイオンリテール㈱東北カンパニー宮城事業部イオン多賀城店前店長北野牧人さん一昨年の東日本大震災によりわがイオン多賀城店におきましても、5ヶ月間にわたって営業を休止するほど大きな津波の被害を受けました。再開までの期間が5ヶ月を要しましたのは、被害の程度が他に比べても甚大であったことを物語っております。忘れもしません3月日、211時分、あの時イオン多賀城店46では、地震発生直後、店内のお客さま、従業員、そして近隣の住民さま、企業の方々合わせ、約600名が4階・5階へと避難致しました。その後、大きな地響きと共に大津波がやってくるという危機に陥りました。当時、店の屋上からは、「車」や「瓦礫」が流される光景や、目の前の渋滞している道路に津波が飛び込んでいくという、目を覆うような光景でありました。全てのライフラインは途絶えここに600名が避難していることを気付いてくれているのか、不安と恐怖におびえながら、一夜を明かしたことを思い出します。その夜は、雪が舞い、売場の布団、毛布、衣類で寒さをしのぎ、津波で1階が浸水し全て流されたため、浮いているお菓子や缶詰をかき集め、一家族にひとつずつ配るのが精一杯でありました。小さな赤ん坊、お年寄り、そして身体の不自由な方を最優先に、従業員、避難者の方々、夜通しで助け合い、次の日の夕方自衛隊のご協力を得て従業員を含む避難者全員が、無事避難所へ移動することができた時が、ほんとうに何よりの幸いでありました。翌日から避難所を拠点とし、従業員の安否確認や、各避難所への救助物資の支援など、非常時代の業務を遂行致しました。避難所での業務の中、少しでも地域のみなさまのお役に立ちたいという従業員の気持ちが、震災から日後から始めました20テント販売であります。そしてまた、なれない他店舗への応援でもあります。MV、現在ビッグ多賀城鶴ヶ谷店のご協力を得て、駐車場にテント張り、比較的被害の少10なかった2階・3階の商品をトラックで運び出し、4月2日から4ヶ月間販売を継続させて頂きました。また、近隣店舗への応援や、復興支援チームへの異動など、震災前とは全く違う労働環境の中、誰ひとり不満を述べる事なく業務をまっとうできたのは、少しでもお役に立ちたいと同時に、またもう一度みんなと一緒に働きたいという強い気持ちがひとつになったからだと思います。テント販売中には、なじみのお客さまや、当日避難されていたお客さまがたくさん駆けつけてくださり、暖かいお礼のお言葉や励ましのお言葉を多数頂きました。また近隣の企業さまも「従業員を助けてくれてありがとう」とわざわざお礼を伝えに来てくださったり、「イオンは、いつ開くのですか?」、「もし、万が一の時イオンがなければと考えると不安です」など、安心して暮らせる町として、また地域のライフラインとして多賀城店が必要であることを実感致しました。こうした多くのお客さまの声に支えられ、8月日に2階フ10ロアー、9月日に直営売場、23そして月日に同友店さま含1013め、全館営業再開することができました。あの悪夢からもう一年が過ぎました。震災前から考えればまだまだ厳しい状況でありますが、今現在こうして営業を再開できた喜びをいつまでも忘れることのないよう、営業再開を待ち望んでくれた、地域の多くの皆様に愛され続けていくお店を目指して、従業員一丸となり努力をいたす所存でございます。今後ともより一層のご愛顧、お引き立てを賜りますようお願い申し上げます。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・人と人とのつながりの大切さを実感独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構宮城職業訓練支援センター次長平山隆次さん平成年3月日、この日仙2311台駅東口近くにあるビルで会議に出席していた。その会議が終了した時時分に大地震(東1446日本大震災)が発生した。ビルは大きく揺さぶられ、立っているためにはかなりバランスを取らなければならなかった。間もなく停電のため電気が消え、薄暗くなった会議室で一向にやむ気配のない揺れを体験していた。その揺れは過去に経験したことが無いもので、少し治まったかと思うとまた大きな揺れとなり永遠に続くかと思われるほど長い時間が経過した。ひとまず揺れが落ち着き、どんな状況なのかを把握しようと周りの方々と情報交換し、ようやくどんな地震だったか分かった。「宮城県北部が震度7!」震度7というのはいったいどんな地震なんだ?聞いたことの無い数字、しかも時間が長かった。とにかく施設の状況が気にな