東日本大震災の記録 page 75/178
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東日本大震災の記録
75第4章3・11ドキュメント「あの日」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・サワサワと音をたてて押し寄せる津波ホテルキャッスルプラザ多賀城取締役総務部長鈴木菊夫さんいつもの一番多忙なる時間帯に来客があり、その応対にフロントカウンターにて挨拶を初めた直後に地震が発生し、これはちょっと大きい地震と思い、ロビーの埋め込み電灯が落ちかかったり、壁のタイルが続けざまに剥がれ落ちたり、また外では近隣店舗の看板が音を立てて落ちたり、外壁のひび割れの破片が落ちたりと今までにはない状況と感じ、建物内にいた方が良いか迷いながらも取り敢えず自分のデスクに戻り、やりかけの書類等を片づけその後余震が何度かあったなか、内部の故障個所の確認と思って一階の状況又、お客様の滞在者、社員の安全等と考え外に一度非難している者への声掛けをしていると、「津波が来るメートル位だ。」10と言って駅、市役所方面へ避難していく人を目にした。そんな中、大きな津波は生まれ育ったのが近隣の沿岸部とはいえ経験したことも聞いたこともありませんでした。ただ子供のころ貞山運河のそばに住んでいたので津波が来ると聞いた時、目撃したのは引きで運河の水がからっぽになり魚が泥の上で跳ねていたかと思うとすぐに戻り水で満杯になったりと数回繰り返されたのを記憶しています。まさかこの辺まで津波が来るとは想像できないと部下等に話して安全を確認していた矢先に裏側の第2駐車場へ向かった時、隣の駐車場を越し水がサワサワと音をたてて押し寄せてくるのが見えました。そばにいた人達にすぐ2階以上へ避難するよう指示をした後、館内に戻り表玄関へ行ってみると、何人かで玄関のガラスドアを押さえながら津波が入ってこないよう隙間にテーブルクロスを挟み込んだりしていたが、外の水かさがあっという間に増し、津波は一気に玄関のガラスドアを破損し濁流となった為全員2階へ避難させた。避難者が120~130人、従業員人位、戻って来た宿泊30客が人位等、3・4階の宴会10場へ案内し宴会用テーブル、イス等を並べ対応、外が暗くなり雪も降ってきたので液体燃料を燃やし少しでも避難者等の暖かさ、暗闇の中の不安を癒せるように配慮した。落ち着いて来たところで社員同士、安否確認を行ったら支配人一人だけがおらず、だれも確認しているものもいなかった為もしや津波で…、しばらくたってから玄関より濁流が入ってきた直後に奥の大浴場に閉じ込められていた事がわかり救出し、無事だったのでホッと致しました。布団を持って避難して来た方は御老人と一緒だったので3階の宴会場へ案内し簡易ベッドを用意し寝かせることができました。又、別館キャッスルインの屋外階段にも避難者がおりホテル内に入れるように一箇所窓ガラスを壊し急きょテーブル等ではしごを作り本館に避難させました。その他、南側の雀荘の屋外階段に避難しているおばあさん・お母さん・赤ちゃんの3人を避難していた人が泳いで雀荘の扉を壊して救出し、温かいミルクを与えることが出来、救護活動に温かいものが感じられました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・地域の状況にあわせた対応をみやぎ生活協同組合大代店店長吉田武雄さん当日は公休でした。地震発生後2時間ぐらい掛かってお店に着きました。その時点で地域の方や職員等300人ぐらいが2階駐車場に避難していました。地震発生時には消防団(第6分団)の方々が、地震や津波の情報を生協の職員へ伝えて頂き一人のけが人も出さず避難ができました。また、消防団の方がお店の近くで活動を行って頂き、とても心強く感じました。お店は一階がcmほど浸水60し、電気系統が全てダウンし暖房もガス水道も使えませんでした。会議室を開放し薬が必要という方には薬を提供し、津波で濡れた方などにはタオルや服、靴、靴下などを提供し、毛布やシーツなどで寒さをしのいでもらいました。我々も避難者の皆さんと売り場の食料品で空腹をしのぎ、ろうそくと懐中電灯で明かりを取り、ラジオで情報を取る状態でした。店の前のコンビナートの火災と強い余震、度重なる津波の襲来などで一晩中恐怖を感じていました。翌朝見た店は売り場も倉庫も商品や什器、流れ込んだ物と泥水で足の踏み場も無い状態でした。店の中の物をよけ通路を作ったり、従業員の安否確認などで一日が過ぎたような気がします。津波警報が解除されてから、近所の住民の皆さんが店内のもので、当座必要な分の食料を無料で提供しました。その後物流が復旧し始めたのを機に、店頭で販売を始めました。これは約一ヶ月行いました。お店は地域の状況を踏まえ、急いでやれるところから開店す