東日本大震災の記録 page 93/178
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東日本大震災の記録
93第4章3・11ドキュメント「あの日」ダーレスになれるんだと、私自身、人に関する価値観も変わりましたね。多賀城市災害VCは、自分で言うのも何ですが、うまく機能できていたと思ってます。クレームやアクシデントもありましたし、もちろん反省する点もあります。でも、その場その場で最善の選択ができていた、と確信しています。「ここはやりやすい」と言ってくれるボランティアの声、「ボランティアさんを連れてきてくれてありがとう」という住民の声。そんな言葉を受けるたびに、私たちがボランティアと一緒にやってきた活動、そしてシステムや対応がきちんとできていた、という自信を深められました。そして、「無償の行為」で助けてくれた人たちの気持ちや行動に応えるためにも、この街の復旧、復興に向けて着実に歩みを進めていかなければ。仮設住宅に向けた生活支援については、仮設住宅の管理を市から委託されている団体と連携を取りながら進めています。仮設住宅では不便な生活を送られている方が数多くいらっしゃいますが、私たち社協としては、自宅で生活している方々、みなし仮設住宅で暮らしている方々にも、しっかりと目を向けていかなければと考えています。地域を全体でみて、サポートしていく役割でなければ、と。多賀城市社協復興支えあいセンターでは、「仮設住宅を中心に活動する役割」と「地域を見まわる役割」を分けて生活支援員を配置しました。民生委員さんとも情報交換を行っていますが、地域を回って丹念に住民の声を拾っていくことを心がけています。現在は、災害VCにニーズを寄せていただいたご家庭を中心に地域を回っています。また最近では、市からの依頼で暖房設備を配布する作業を請け負っていて、それに該当するお住まいを訪問しながらお話を伺っています。復興はもとより、本来の復旧という意味でも、まだまだ時間は必要でしょう。特に被災の爪痕が残っている地域と、復旧が済んでいる地域の差は大きい。市全体で支えあい、被災した方々が元の生活に近づけるよう私たち社協がその一端を担っていきたいですね。